願わくば、広い道路
- 凜 志水
- 2024年9月19日
- 読了時間: 2分
インフラについてのこだわりがあるとすれば、道路の広さを挙げる。
道路は広ければ広いほど、いい。
狭い道路が怖くて苦手とか、車の運転がしやすいという理由ではない(免許もっていないし)。
ただ、広い道路を歩いたり走ったりしていると、とてもいい気分になる。
広場とか公園のような場所の良さとはちょっと違う。
ここを行き交ってくださいね〜と決められた範囲が広いことに、テンションが上がる。
広い道路への気持ちに気づいたのは、はじめて名古屋を訪れた時だ。
栄駅周辺からお店が立ち並ぶ道路のあたりを歩いてみると、車道も歩道もゆったりと広い。
車はそれこそビュンビュン飛ばしているものの、歩道とはちゃんと距離があるし、歩道内も人とぶつかることを気にかけなくていいくらいに余裕がある。
あえてごちゃつきを売りにしている私の地元では到底味わえない、このゆとり。
人混みに流されることに慣れてしまっていたのか、街をゆっくり歩けるだけでちょっと贅沢している気になる。
道路が広いと、こうも違うのか〜〜!
以後、広くてナイスな道路に出会うと心の中のグッドボタンを押しまくるようになった。
やはりアメリカは広くて、大都会ニューヨークでもWEST 73rdストリートより上周辺(タイムズスクエアより北)は日当たりと風通りがよくて背筋がシャキッとするし、
国内でいうと北海道大学がかなり良かった。
これぞ生命と言わんばかりに曲線を描く立派な木々や青々と生い茂る芝(つまり訪れたのは夏)とのコントラストを成す、のぺーっと無機質に広がるアスファルト。
その道に、犬の散歩、自転車、友達と並んで談笑しながら歩く人たち。
みんなやりたいことを、やりたいペースでできるという幸福。
ああ、ここで学べば、おそらく今とはまた別のことを考える頭になっただろうな...。
道路って、日々の思考や思想に影響すると真剣に思っている。
他者とぶつかりそうになる緊張感が常にある場合と、ふと立ち止まっても誰にも迷惑にならない場合とでは、公共の場における振る舞いや態度は変わる。気にかけなくてはいけないことも、変わる。
街の景観を見ながらぼーっと歩くのが好きで、それが頭のリフレッシュにもなる私にとって、広い道路は憧れの街の条件といってもいいかもしれない。
願わくば、広い道路。
将来安住する場所があるとすれば、この条件は外せない。
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